
この会社に居続けていいのか?哲学から学ぶ「仕事の常識」を疑う力
はじめに
「仕事なんだから我慢するのは当たり前」
「どこの会社に行っても同じ」
「3年は働かないと意味がない」
「給料をもらっているんだから、多少つらくても耐えるべき」
「転職を繰り返すと人生に失敗する」
あなたも、こんな言葉を一度くらい聞いたことがないでしょうか。
そして知らないうちに、
「そういうものなのかな」
と受け入れてしまっていないでしょうか。
20代、30代で転職について悩んでいるとき、意外と大きな壁になるのが、
「自分の中にある仕事の常識」
です。
会社を辞めたい。
仕事がつらい。
もっと違う仕事をしてみたい。
今の会社に将来性を感じない。
それなのに、
「でも辞めるのは逃げなんじゃないか」
「ここで我慢できないなら、どこに行っても通用しないのでは」
と考えてしまう。
そんなとき、少し役に立つのが「哲学」という考え方です。
哲学というと、
難しい本を読んで、
難しい言葉について考える学問。
そんなイメージがあるかもしれません。
しかし哲学の根本には、非常にシンプルな姿勢があります。
「それって、本当にそうなの?」
と問い直すことです。
実はこの姿勢こそ、転職やキャリアに悩んでいる20代30代に必要なのではないでしょうか。
転職で悩んでいる人ほど「常識」に縛られている
私たちは子どもの頃から、たくさんの「常識」を教えられてきました。
学校を卒業したら会社に入る。
会社に入ったら真面目に働く。
上司の言うことを聞く。
多少嫌なことがあっても我慢する。
簡単に会社を辞めてはいけない。
もちろん、こうした考え方がすべて間違っているわけではありません。
我慢が必要な場面もあります。
嫌なことがあるたびに会社を辞めていては、仕事で成長できないこともあるでしょう。
しかし問題なのは、
「それを自分で考えずに正しいと思い込んでいること」
です。
たとえば、
「最低でも3年は働くべき」
という言葉があります。
ではなぜ3年なのでしょうか。
2年11か月ではダメなのでしょうか。
逆に、明らかに自分に合っていない会社でも3年間我慢する必要があるのでしょうか。
ここで大切なのが、
常識を一度疑ってみることです。
ソクラテスのように「それは本当?」と考えてみる
哲学の入り口は、難しい知識ではありません。
「それは本当なのか?」
と考えてみることです。
これは転職でも使えます。
たとえば、
「転職したら年収が下がるかもしれない」
と思ったとします。
そこで不安になって終わるのではなく、
「本当にそうなのか?」
と問い直します。
求人を調べてみる。
同じ職種の相場を調べてみる。
転職サイトを見てみる。
自分の経験が他社でどれくらい評価されるのか調べてみる。
すると、
「思っていたより条件の良い会社がある」
と気づくかもしれません。
逆に、
「今の会社は意外と給与水準が高い」
と分かるかもしれません。
どちらでもいいのです。
重要なのは、
思い込みではなく、自分で確かめること。
転職で後悔を減らすためには、この考え方がとても大切です。
「どこの会社に行っても同じ」は本当なのか?
転職を考えている人がよく言われる言葉があります。
「会社なんてどこも同じだよ」
確かに、どんな会社にも嫌なことはあります。
嫌な上司がいるかもしれない。
忙しい時期もあるでしょう。
仕事でミスをすることもあります。
面倒な人間関係もゼロにはできません。
でも、
だからといって「全部の会社が同じ」なのでしょうか。
年間休日が100日の会社と125日の会社。
毎月40時間残業する会社と、ほとんど残業のない会社。
年功序列の会社と、成果を評価する会社。
転勤がある会社と、ない会社。
教育制度がある会社と、ほとんどない会社。
同じではありません。
仕事には、
「どこへ行っても多少は存在する不満」
と、
「会社を変えることで改善できる不満」
があります。
ここを分けて考える必要があります。
【あわせて読みたい】
「転職したらもっと悪くなるかもしれない」と思って動けなくなっている人は、こちらの記事も参考にしてください。
→ 転職先が今より悪かったらどうしよう?不安を減らす7つの判断基準
デカルトのように、一度全部疑ってみる
仕事について悩んでいるときは、一度、自分の中にある常識を書き出してみるのもおすすめです。
たとえば、
「正社員でなければならない」
「有名な会社のほうがいい」
「年収は下げてはいけない」
「転職回数は少ないほうがいい」
「30代になったら未経験転職は無理」
「上司には逆らってはいけない」
「会社では我慢するのが普通」
「好きな仕事では食べていけない」
こうした考え方を持っている人は少なくありません。
では、一つずつ、
「本当に?」
と考えてみます。
もちろん、疑った結果、
「やっぱり自分には正社員が合っている」
という答えになるかもしれません。
それで構いません。
哲学的に考えるとは、
何でも否定することではないからです。
一度疑って、
考えて、
それでも納得できるなら、
今度はそれが「誰かから与えられた常識」ではなく「自分で選んだ価値観」になります。
この違いは大きいのです。
「今の会社を辞める=逃げ」という常識を疑ってみる
特に転職で多いのが、
「会社を辞めるのは逃げなのではないか」
という悩みです。
仕事で嫌なことがあった。
上司とうまくいかない。
仕事についていけない。
評価されない。
そんな状態で転職を考えると、
「ここで辞めたら逃げになる」
と思ってしまいます。
でも、
少し違う角度から考えてみましょう。
合わない環境から離れることは、本当にすべて逃げなのでしょうか。
自分の能力をもっと活かせる会社を探すこと。
もっと成長できる仕事へ移ること。
家族との時間を増やすために働き方を変えること。
心身をすり減らす環境から離れること。
これらまで全部「逃げ」と呼ぶ必要はありません。
重要なのは、
辞めることそのものではなく、なぜ辞めるのかです。
「何となく嫌だから」
だけではなく、
「自分は次に何を変えたいのか」
まで考えられれば、転職は単なる逃避ではなくなります。
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「会社を辞めたい。でも逃げだと思われそう」と悩んでいる人には、こちらの記事もおすすめです。
→ 転職は逃げなのか?仕事を辞めることに罪悪感がある20代30代へ
「みんな我慢している」は転職しない理由になるのか
仕事がつらいと相談すると、
「そんなのどこでも同じだよ」
「みんな我慢して働いているよ」
と言われることがあります。
確かに、多くの人が多少の不満を抱えながら働いています。
でも、
「みんな我慢しているから、自分も我慢しなければならない」
という結論にはなりません。
なぜなら、人によって大切にしたいものが違うからです。
ある人は年収を一番重視する。
ある人は家族との時間。
ある人は仕事の面白さ。
ある人は安定。
ある人は成長。
どれが正しいという話ではありません。
問題なのは、
他人の価値観で、自分の働き方を決めてしまうことです。
20代30代は「自分の仕事観」を作っていく時期
20代の前半では、
「とりあえず就職する」
という人も多いでしょう。
社会人経験がないので、仕事選びの基準もまだ曖昧です。
しかし何年か働くと、
少しずつ分かってきます。
自分は何が嫌なのか。
何なら頑張れるのか。
どんな上司とは働きやすいのか。
どんな働き方が合っているのか。
何を評価されたときに嬉しいのか。
30代になる頃には、
「社会人として働いた経験」
という材料がかなり増えています。
だから転職を考えることは、
単に会社を変えることではありません。
自分の仕事観を作り直す機会でもあるのです。
「会社から評価される自分」より「自分が納得できる自分」
会社で働いていると、
どうしても評価が気になります。
上司から評価されたい。
昇進したい。
給料を上げたい。
認めてもらいたい。
これは自然なことです。
でも、
会社からの評価だけで人生を決めてしまうと苦しくなることがあります。
会社が変われば評価基準も変わるからです。
今の会社では評価されなかった能力が、別の会社では高く評価されることもあります。
逆もあります。
だからこそ考えてほしいのは、
「自分はどう働きたいのか」
ということです。
会社に合わせ続けるだけではなく、
自分に合った環境を探す。
これもキャリアの考え方の一つです。
ニーチェ的に考えるなら「自分の価値観を作る」
周りの人が、
「大企業がいい」
と言っているから大企業へ行く。
親が、
「安定した会社がいい」
と言うから安定を優先する。
友人が年収500万円だから、
自分も500万円を目指す。
SNSでキラキラした転職成功談を見るから、
自分も年収アップしなければならないと思う。
こうなると、
いつの間にか他人の価値観で人生を生きることになります。
でも本当に大切なのは、
「自分はどう生きたいのか」
です。
たとえば、
多少年収が下がっても家族との時間を増やしたい。
大企業ではなくても、自分で仕事を動かしたい。
管理職ではなく専門職として成長したい。
都会ではなく地元で暮らしたい。
副業できる会社で働きたい。
人によって答えは違います。
だからこそ、
「世間的に正しいキャリア」
ではなく、
「自分にとって納得できるキャリア」
を考える必要があります。
転職に正解を求めすぎない
転職に悩んでいる人の中には、
「正解を選ばなければ」
と思いすぎている人もいます。
A社とB社、どちらが正解なのか。
今辞めるのと1年後に辞めるのはどちらが正解なのか。
転職と残留、どちらが正解なのか。
でも未来のことなので、100%正しい答えは誰にも分かりません。
だから大切なのは、
完璧な正解を探すことではなく、判断材料を増やすことです。
求人を見る。
自分の市場価値を調べる。
転職した人の話を聞く。
職務経歴書を作る。
面接を受ける。
会社について調べる。
そうやって情報を増やしていく。
そして、
「今分かっている情報なら、こちらを選ぶ」
と判断する。
それで十分なのです。
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→ 転職で失敗するのが怖いあなたへ|後悔しない転職を実現する7つの考え方
転職するか迷ったら、自分に5つ質問してみよう
もし今、
「この会社に残るべきか」
「転職すべきか」
で悩んでいるなら、次の5つを自分に質問してみてください。
① 今の会社にあと3年いたいか
3年後も同じ働き方をしている自分を想像してみます。
その未来を受け入れられるでしょうか。
② 今の不満は会社を変えれば改善するのか
仕事そのものが嫌なのか。
会社が嫌なのか。
上司だけが嫌なのか。
ここを切り分けてみます。
③ 自分は仕事で何を大切にしたいのか
年収。
休日。
勤務地。
成長。
やりがい。
人間関係。
安定。
全部を手に入れるのは難しいかもしれません。
だから優先順位を決めます。
④ 転職しなかった場合、後悔しないか
転職した未来だけではなく、
転職しなかった未来も考えてみます。
⑤ 「世間の正解」ではなく「自分の答え」になっているか
親。
上司。
友人。
SNS。
転職エージェント。
いろいろな人が意見を言うでしょう。
参考にするのは構いません。
でも最後に働くのは自分です。
哲学は「人生の答え」を教えてくれるものではない
哲学を学べば、
「転職したほうがいい」
「会社に残ったほうがいい」
という答えが出るわけではありません。
むしろ逆です。
哲学は、
「あなたはどう考えるの?」
と問いかけてきます。
会社を辞めるべきか。
転職すべきか。
年収を優先するべきか。
安定を取るべきか。
やりたい仕事をするべきか。
答えは人によって違います。
だからこそ、
自分で考える必要があります。
まとめ|「それ、本当にそう?」からキャリアは変わり始める
転職について悩んでいると、
いろいろな常識が頭の中に浮かびます。
「3年は働くべき」
「転職は逃げ」
「どこの会社も同じ」
「30代からでは遅い」
「安定した会社を辞めるのはもったいない」
「嫌な仕事でも我慢するのが社会人」
でも、
その常識は本当にあなたにも当てはまるのでしょうか。
一度、
「それ、本当にそう?」
と考えてみてください。
哲学とは、難しい言葉を覚えることだけではありません。
自分が当たり前だと思っていることを疑い、
自分自身で考えることでもあります。
そしてこれは転職にもそのまま使えます。
今の会社に残る。
転職する。
どちらを選んでも構いません。
大切なのは、
誰かの常識に流されて決めるのではなく、自分で考えて選ぶこと。
会社員としての時間は、人生のかなり大きな部分を占めます。
だからこそ、
「普通はこうだから」
だけで働き方を決める必要はありません。
今の会社でいいのか。
この働き方でいいのか。
このまま3年、5年と進んでいいのか。
そんな疑問を持ったなら、それは悪いことではありません。
むしろ、
自分のキャリアについて本気で考え始めたサインなのかもしれません。
「この会社に居続けるのが普通だから」
ではなく、
「自分はどう働きたいのか」
から考えてみてください。
あなたのキャリアを変える最初の一歩は、
転職サイトへの登録ではなく、
案外、
「今まで当たり前だと思っていたことを疑ってみること」
なのかもしれません。
参考
中田敦彦のYouTube大学 - NAKATA UNIVERSITY
【西洋哲学史①】時代の常識を疑え!
【西洋哲学史②】神から人へ キリスト教と西洋哲学
【西洋哲学史③】現代社会をどう生きるか?幸福とは何か