
自分の強みがわからない20代30代へ|転職で評価される「市場価値」の見つけ方
「転職したいけど、自分には強みがない」
「面接で『あなたの強みは何ですか?』と聞かれても答えられない」
「今の会社では普通に仕事をしているだけ。転職市場で評価されるものなんてない気がする」
転職を考える20代・30代の中には、こんな悩みを持っている人も多いのではないでしょうか。
私自身、仕事をしていて「強み」について考えさせられる出来事がありました。
ある企業との商談で、
「御社の得意分野は何ですか?」
という話になったときのことです。
自社では当たり前だと思っていた設備、技術、経験。
ところが相手の困りごとを聞いていくと、
「それなら、うちが役に立てるかもしれない」
という部分が次々と見えてきました。
そこで気づいたことがあります。
強みとは、自分の中だけを探して見つけるものではありません。
「自分ができること」と「誰かが困っていること」が重なったところに、強みは生まれます。
これは会社だけでなく、個人の転職でも同じです。
今回は、実際の仕事で感じたことをもとに、20代・30代が転職で自分の強みや市場価値を見つける方法について考えてみたいと思います。
「自分には強みがない」と思ってしまう理由
転職活動を始めると、
「あなたの強みは何ですか?」
「これまでどんな経験をしてきましたか?」
「当社でどのように活躍できますか?」
と聞かれます。
ここで困ってしまう人は少なくありません。
営業成績1位になったこともない。
大きなプロジェクトを成功させた経験もない。
国家資格を持っているわけでもない。
すると、
「自分にはアピールできるものがない」
と思ってしまいます。
でも、本当にそうでしょうか。
以前の記事「転職したいけどスキルがない20代・30代へ|何から始める?」でも触れていますが、私たちは「スキル」という言葉を聞くと、資格や専門技術のような分かりやすいものばかりを想像してしまいがちです。
しかし仕事で評価される能力は、それだけではありません。
たとえば、
・お客様の話を聞いて要望を整理できる
・トラブルが起きたときに関係者へ確認できる
・納期から逆算して仕事を進められる
・分からないことを専門部署に確認できる
・Excelで情報を整理できる
・後輩へ仕事を教えられる
・毎日決められた品質で仕事ができる
こうしたものも、立派な仕事の能力です。
問題は、自分にとって当たり前になりすぎていて、その価値に自分で気づきにくいことなのです。
仕事の打ち合わせで気づいた「強み」の正体
先日、私は仕事である企業と打ち合わせをしました。
相手企業はさまざまな製品を扱っており、現在お願いしている取引先だけでは対応が難しくなる可能性があるため、新しい協力先を探していました。
そこで、
「どのくらいのサイズまで対応できるのか」
「どんな製品が得意なのか」
「どれくらいの数量なら対応できるのか」
「繁忙期でも対応できるのか」
「現在の取引先で困っていることは何か」
などを話していきました。
話を聞いていくうちに、
相手が困っていることと、自社が得意としていることが少しずつ重なっていったのです。
特に印象に残ったのが「パイプのような形状は得意分野」という話でした。
普段仕事をしている側からすれば、
「いつもやっている仕事」
です。
しかし、その仕事をお願いできる会社を探している人から見れば、
「お願いしたい技術」
になります。
同じ能力なのに、見る人が変わるだけで価値が変わる。
ここに、転職における「市場価値」を考えるヒントがあります。
強みとは「すごい能力」ではなく「誰かの問題を解決できる能力」
私は、強みを次のように考えています。
強み=自分ができること × 相手が求めていること
どれだけ高い能力を持っていても、それを必要としている人がいなければ仕事にはつながりません。
反対に、自分では「こんなの誰でもできる」と思っている能力でも、それを必要としている会社があれば価値になります。
たとえば、あなたが現在メーカーで働いていて、
「製造現場と営業の間に入って納期を調整している」
とします。
本人にとっては日常業務かもしれません。
しかし別の会社から見れば、
「複数部署を調整できる人」
「生産工程を理解している人」
「顧客と現場の両方とコミュニケーションが取れる人」
かもしれません。
つまり、
自分の会社での評価=転職市場での評価
ではないのです。
今の会社で評価されていないからといって、あなたに価値がないとは限りません。
もし「今の会社でも仕事ができないのに、転職して大丈夫なのだろうか」と感じているなら、「仕事ができないから転職が怖い人へ|転職しても大丈夫?20代30代に伝えたいこと」も読んでみてください。
環境が変われば、求められる能力も変わります。
自分の強みを見つける3つの質問
では、自分の強みはどうやって見つければいいのでしょうか。
私は、次の3つを考えると見つけやすいと思っています。
1.今の仕事で「普通にできること」は何か
まずは、毎日の仕事を書き出してみてください。
ここで重要なのは、
「大したことではない」
と判断しないことです。
たとえば営業なら、
・お客様へ電話する
・見積書を作る
・納期を調整する
・クレーム対応をする
・社内へ情報共有する
・お客様の要望を整理する
などがあります。
製造なら、
・図面を読む
・設備を操作する
・品質を確認する
・異常を発見する
・段取りを変える
・新人へ作業を教える
などがあるでしょう。
まずは全部書き出します。
2.周囲からよく頼まれることは何か
次に、
「なぜか自分によく頼まれる仕事」
を考えてみてください。
Excelについて聞かれる。
お客様への説明を任される。
トラブル対応をお願いされる。
新人教育を頼まれる。
難しい案件になると呼ばれる。
資料作成を頼まれる。
実はこれらは、自分の強みを見つける重要なサインです。
人は基本的に、
「この人ならできそう」
と思う人に仕事を頼みます。
自分では気づいていなくても、周囲はあなたの強みを知っていることがあります。
3.その能力を必要としている会社はどこか
そして一番重要なのがここです。
「自分には何ができるのか」
だけで終わらせず、
「その能力を必要としている会社はどこなのか」
まで考えます。
ここまで来ると「自己分析」から「市場分析」に変わります。
たとえば、
「人と話すことが得意」
だけでは弱い。
しかし、
「専門的な内容をお客様に分かりやすく説明するのが得意」
なら、
営業、カスタマーサクセス、IT営業、技術営業などで評価される可能性があります。
自分に向いている仕事そのものが分からない場合は、「自分に向いている仕事がわからない人へ|適職の見つけ方」も参考にしてください。
自分の能力と仕事内容を結びつけて考えることで、選択肢が見えやすくなります。
転職活動は「自分を売り込む活動」だけではない
転職というと、
「自分を企業にアピールしなければならない」
と思うかもしれません。
もちろん、それも必要です。
でも私は、もう少し違う見方をしています。
転職とは、
「自分を必要としている場所を探す活動」
でもあると思っています。
営業でも同じです。
すべてのお客様に自社の商品を売る必要はありません。
困っているお客様を見つけて、
「その問題なら、私たちが解決できます」
となれば商談が成立します。
転職も同じです。
すべての企業から高く評価される必要はありません。
あなたの経験を必要としている会社を探せばいい。
この考え方ができるようになると、転職活動はかなり変わります。
面接でも「強み」だけを話さない
これは面接でも重要です。
よくある回答が、
「私の強みはコミュニケーション能力です」
というものです。
これだけでは、企業側は、
「それをうちでどう活かせるの?」
となってしまいます。
そこで、
経験 → 強み → 相手へのメリット
までつなげます。
たとえば、
「現職では営業と製造部門の間に入り、お客様の要望や納期を調整する仕事を経験してきました。そのため、複数の関係者から情報を集めて整理し、仕事を前に進めることを得意としています。この経験は、御社でも顧客と社内の調整が必要な業務で活かせると考えています」
という形です。
これなら企業側も、
「入社後にどんな仕事をしてくれそうか」
を想像できます。
面接そのものに苦手意識がある人は、「面接に自信がない人へ|転職面接が怖いときの対策7選【20代30代向け】」もあわせて読んでみてください。
面接は自分を大きく見せる場所ではありません。
自分ができることと、企業が求めていることの接点を探す場所です。
20代は「今できること」だけで判断しなくていい
特に20代の場合、
「まだ3年しか働いていない」
「大した経験がない」
と思うこともあるでしょう。
しかし20代では、完成された専門性だけが評価されるわけではありません。
これまで何を経験してきたのか。
そこから何を学んだのか。
これから何を身につけたいのか。
そうした伸びしろも含めてキャリアを考えることができます。
経験がないことを理由に転職を諦めそうになっているなら、「転職したいけど経験がない|未経験転職を成功させる7つの方法」も参考にしてみてください。
30代は「経験の掛け算」を考える
30代になると、20代よりも経験を求められる場面が増えてきます。
だからこそ、
「何か一つ圧倒的な専門性がないとダメだ」
と思ってしまう人もいます。
でも、私は必ずしもそうではないと思います。
たとえば、
営業経験 × 製造業の知識
営業経験 × ITスキル
接客経験 × マネジメント経験
経理経験 × Excelスキル
製造経験 × 品質管理経験
このように、複数の経験を組み合わせることで希少性が生まれることがあります。
一つひとつは普通でも、
組み合わせると「あまりいない人」になる。
これも立派な市場価値です。
自分一人で考えても強みが分からないなら、人に聞いてみる
今回の仕事の打ち合わせを通じて、もう一つ感じたことがあります。
それは、
強みは相手との会話によって見えてくる
ということです。
自社だけで、
「うちの強みって何だろう」
と会議していても気づかなかったことが、お客様から、
「こういうことはできますか?」
「このサイズはできますか?」
「こういう製品は得意ですか?」
と質問されることで見えてきます。
人間も同じです。
自分だけで自己分析していると、
「自分には何もない」
という結論になってしまうことがあります。
そんなときは、
同僚。
上司。
友人。
家族。
転職エージェント。
いろいろな人に、
「自分って仕事で何が得意だと思う?」
と聞いてみてください。
意外な答えが返ってくるかもしれません。
転職エージェントを「求人紹介」だけに使わない
転職エージェントも、自分の市場価値を確認する方法の一つです。
転職エージェントというと、
「求人を紹介してもらうサービス」
と思われがちです。
しかし、
「自分の経験なら、どんな企業で評価されそうですか?」
「今までの仕事の中で、アピール材料になりそうなのはどこですか?」
と聞くこともできます。
転職するか決めていなくても、外の世界から自分を見ることで、
「自分の会社では普通だった経験が、別の会社では評価される」
と気づくことがあります。
大切なのは、今の会社の評価だけで自分の価値を決めないことです。
市場価値は「会社の外」に出て初めて分かる
今の会社で10年働いていると、その会社の常識が世の中の常識に見えてきます。
しかし会社が変われば、
求められる能力も、
評価される経験も、
必要とされる知識も変わります。
だから、
「今の会社で評価されていない」
という理由だけで、
「自分には市場価値がない」
と判断する必要はありません。
逆も同じです。
今の会社で高く評価されていても、外の会社では通用しない可能性もあります。
だからこそ、一度外の市場を見てみる。
求人を見る。
転職エージェントと話してみる。
他社の仕事内容を調べてみる。
実際に面接を受けてみる。
そうやって外部との接点を増やすことで、自分の現在地が見えてきます。
「自分には何もない」から転職活動を始めてもいい
転職活動を始める前に、
「自分の強みを完璧に見つけなければ」
と思う必要はありません。
むしろ逆です。
転職活動をするから、自分の強みが分かってくることがあります。
求人を見る。
企業の求める人物像を見る。
自分の経験と比較する。
エージェントと話す。
面接を受ける。
その過程で、
「この経験は意外と評価されるんだ」
「この仕事には自分の経験が使えそうだ」
「逆にこの能力は足りないから勉強しよう」
と分かってきます。
つまり転職活動そのものが、
自分の市場価値を調べる活動
でもあるのです。
まとめ|強みは「自分」と「誰か」の間にある
今回、実際の企業との打ち合わせを通じて改めて感じたことがあります。
自分たちにとって当たり前の技術でも、それを必要としている会社にとっては価値になる。
これは転職でも同じです。
あなたが今、
「自分には強みがない」
「大した経験をしていない」
「転職しても評価されない」
と思っていたとしても、それはまだ、
自分の価値を必要としている場所を知らないだけ
かもしれません。
強みとは、誰よりも優れていることである必要はありません。
誰かが困っていることに対して、
「それなら自分は少し役に立てる」
と言えるもの。
そこからキャリアは始まります。
20代でも30代でも、今の会社の評価だけで自分の可能性を決める必要はありません。
まず、
「自分はこれまで何をしてきたのか」
「周囲から何を頼まれてきたのか」
「それを必要としている会社はどこにあるのか」
この3つを書き出してみてください。
転職で大切なのは、
「自分はすごい人間だ」と証明することではありません。
自分ができることを必要としている場所を見つけることです。
あなた自身がまだ気づいていないだけで、今まで積み重ねてきた経験の中に、次の会社で必要とされるものが眠っているかもしれません。
参考
黒丸 ミステリー 神回 なぜ神は世界を作ったのか 本当の自分の人生と宇宙の目的とは