
職務経歴書の書き方|実績がない20代30代でも強みが伝わる作り方と例文
「職務経歴書に書けるような実績がない」
「毎日、普通に仕事をしてきただけなんだけど……」
「売上○%アップとか、表彰された経験なんてない」
転職活動を始めて職務経歴書を書こうとすると、こんなところで手が止まる人は多いと思います。
僕も職務経歴書について考えるとき、
「普通に仕事をしてきた人は、何を書けばいいんだろう?」
と思うことがあります。
転職サイトの見本を見ると、
「売上前年比120%を達成」
「業務時間を30%削減」
「社内表彰を受賞」
といった華やかな実績が並んでいます。
そんなもの、自分にはない。
そう思うと自信をなくしてしまいますよね。
でも、職務経歴書は「すごい実績を自慢する書類」ではありません。
採用担当者が知りたいのは、
「この人は今まで何を経験して、うちの会社で何ができそうなのか」
です。
この記事では、職務経歴書の基本的な書き方だけでなく、
「書くことがない」と感じている20代・30代が、普段の仕事から経験や強みを見つけて職務経歴書に変える方法
を、具体例を交えて紹介します。
そもそも職務経歴書とは何を書くもの?
転職活動では、一般的に「履歴書」と「職務経歴書」を提出します。
この2つは役割が違います。
履歴書は、
- 氏名
- 住所
- 学歴
- 職歴
- 資格
など、自分の基本情報を伝える書類です。
一方、職務経歴書では、
「これまでどんな仕事をしてきたのか」
を詳しく伝えます。
例えば営業職なら、
どんな顧客を担当したのか。
新規営業なのか既存営業なのか。
どんな商品を扱ったのか。
見積作成まで担当したのか。
社内の製造部門との調整も行ったのか。
クレーム対応はしたのか。
こうした情報を書きます。
つまり履歴書が、
「私はこういう経歴の人です」
という書類なら、
職務経歴書は、
「私は仕事でこんな経験をしてきました」
と説明する書類です。
採用担当者は職務経歴書の何を見ている?
ここを理解すると、かなり書きやすくなります。
採用担当者が知りたいのは、必ずしも華々しい成果だけではありません。
大きく分けると、
「何を経験してきたか」
「何ができるか」
「自社でも活躍できそうか」
です。
例えば、
「法人営業3年」
だけでは、その人が何をできるのかよく分かりません。
しかし、
「製造業の既存顧客約30社を担当し、見積作成、納期調整、社内製造部門との調整、納品後のフォローまで担当」
と書いてあれば、
「顧客対応だけではなく、社内調整も経験しているんだな」
と分かります。
これが職務経歴書の役割です。
「実績がないから書けない」は思い込みかもしれない
ここで一番伝えたいことがあります。
普通に仕事をしてきた人ほど、自分の経験を過小評価しやすい。
ということです。
毎日やっていることだから、
「こんなの誰でもできる」
と思ってしまうんですよね。
例えば事務職なら、
電話対応。
契約書の管理。
Excelでの集計。
請求書の処理。
営業担当者との調整。
顧客からの問い合わせ対応。
これらを、
「普通の仕事」
と思っているかもしれません。
でも別の会社から見れば、
立派な実務経験です。
営業職なら、
顧客訪問。
見積作成。
納期調整。
価格交渉。
社内会議。
クレーム対応。
新規顧客への提案。
これもすべて経験です。
製造職なら、
設備操作。
段取り。
品質確認。
生産記録。
設備点検。
新人教育。
改善活動。
安全管理。
があります。
まずは、
「すごいことを探す」のをやめて、「普段やっていること」を探す。
ここから始めてみてください。
STEP1 最初から職務経歴書を書かない
職務経歴書を書くとき、いきなりWordを開いて、
「職務要約……」
と書き始める人もいると思います。
でも、僕はあまりおすすめしません。
先にやるのは、
仕事の棚卸し
です。
紙でもスマホのメモでも構いません。
これまでの仕事について、
「担当した仕事」
「関わった人」
「使ったツール」
「困ったこと」
「工夫したこと」
「褒められたこと」
を書き出します。
例えば営業なら、
「既存顧客20社」
「新規見積」
「製造部門と納期調整」
「クレーム対応」
「Excelで案件管理」
「後輩に見積方法を教えた」
という程度で十分です。
文章にする必要はありません。
まず材料を集めます。
詳しい棚卸し方法については、オハナ転職の「転職の棚卸し」に関する記事も合わせて読んでみてください。
職務経歴書を書く前に材料を集める。
料理と同じです。
材料がなければ、文章も作れません。
STEP2 仕事内容を「分解」する
次に、普段の仕事を細かく分けます。
例えば、
「営業をしています」
だけではなく、
営業を分解すると、
顧客開拓
↓
ヒアリング
↓
見積作成
↓
価格交渉
↓
社内手配
↓
納期調整
↓
納品
↓
アフターフォロー
となるかもしれません。
すると、
「営業しかしていない」
と思っていた人にも、
提案力。
調整力。
交渉力。
顧客対応力。
スケジュール管理力。
など、いろいろな経験があることが分かります。
STEP3 「何をしたか」だけでなく「どうやったか」を書く
職務経歴書が弱くなりやすいのが、
仕事内容だけを並べてしまうケース
です。
例えば、
「顧客対応」
「見積作成」
「納期管理」
だけでは、仕事内容は分かりますが、その人らしさがありません。
そこで、
どうやって仕事をしていたか
を加えます。
例えば、
「製造部門と事前に納期情報を共有し、納期遅延が予想される案件について早めに顧客へ連絡するよう心掛けた」
と書けば、
単なる納期管理ではなく、
先を読んで動ける人
ということが伝わります。
STEP4 数字にできるものを探す
華々しい売上実績がなくても、数字にできるものは意外とあります。
例えば、
「顧客を担当」
ではなく、
「既存顧客約30社を担当」
「新人教育を担当」
ではなく、
「新人3名のOJTを担当」
「問い合わせ対応」
ではなく、
「1日平均20~30件の問い合わせに対応」
とすると具体的になります。
ほかにも、
担当社数。
案件数。
人数。
金額。
期間。
処理件数。
製品数。
改善時間。
などがあります。
無理に数字を作る必要はありません。
分かる範囲で構いません。
STEP5 数字にできない仕事は「工夫」を書く
すべての仕事を数字で表現できるわけではありません。
特に、
総務。
人事。
事務。
品質管理。
調整業務。
などは数字にしにくいことがあります。
そんな場合は、
「何を工夫したか」
を書きます。
例えば、
「契約書を管理」
だけなら普通です。
しかし、
「契約更新時期を一覧化し、期限前に担当部署へ確認する運用に変更」
と書けば、仕事の進め方が見えてきます。
結果として、
「更新漏れ防止につなげた」
まで書ければさらに良くなります。
STEP6 職務経歴書の基本構成を作る
材料が集まったら、ようやく職務経歴書を作ります。
基本的には、
1.職務要約
2.職務経歴
3.活かせる経験・スキル
4.資格
5.自己PR
という構成で十分です。
転職回数や職種によって変えて構いません。
大切なのは、
採用担当者が短時間で理解できること。
です。
職務要約の書き方
職務要約は、
「これまでどんな仕事をしてきた人なのか」
を最初に伝える部分です。
長く書く必要はありません。
例えば営業職なら、
製造業にて法人営業として5年間勤務し、既存顧客を中心に約30社を担当してきました。顧客への提案、見積作成、価格交渉、納期調整、社内製造部門との調整まで一連の営業業務を経験しています。顧客との関係構築と社内調整を強みとして業務に取り組んできました。
これだけでも、
「どんな人なのか」
がかなり分かります。
職務経歴の書き方
次に会社ごとの経験を書きます。
例えば、
株式会社○○
在籍期間:2021年4月~現在
事業内容
産業機器の製造・販売
担当業務
法人営業
主な業務
- 既存顧客約30社の営業担当
- 新規問い合わせ対応
- 見積作成
- 価格交渉
- 納期調整
- 製造部門との社内調整
- クレーム一次対応
- 月次売上管理
工夫・実績
納期トラブルを防ぐため、製造部門と案件状況を定期的に共有。遅延の可能性がある案件については早めに顧客へ連絡し、代替納期を提案することでトラブル防止に努めました。
この形なら、
仕事内容だけでなく、
どんな姿勢で仕事をしてきたか
も分かります。
「売上実績がない営業」は何を書けばいい?
営業職だと特に、
「売上○億円」
「前年比150%」
のような数字がないと弱いと思いがちです。
でも営業の仕事は売上だけではありません。
例えば、
既存顧客との関係維持。
失注防止。
納期調整。
クレーム対応。
新規案件の見積。
社内調整。
休眠顧客への再提案。
なども営業の重要な仕事です。
「大きな売上を作った経験がない」
から、
「何も書けない」
にはなりません。
事務・総務職の職務経歴書はどう書く?
事務系の仕事も、
「書くことがない」
と思いやすい職種です。
例えば、
「契約書管理」
「電話対応」
「請求処理」
だけではなく、
もう一段深くします。
例
契約管理
各部署から提出される契約書の内容確認、押印手続き、原本管理、更新期限の管理を担当。更新漏れを防ぐため一覧表を作成し、期限前に担当者へ確認する運用を行いました。
これだけでも、
管理能力。
正確性。
他部署との調整。
改善意識。
が見えてきます。
製造職の職務経歴書はどう書く?
製造職でも、
「機械を操作していただけ」
と思う必要はありません。
例えば、
担当業務
- 生産設備の操作
- 段取り替え
- 製品検査
- 生産実績入力
- 設備の日常点検
- 不良発生時の報告
- 5S活動
- 新人教育
これだけの経験があります。
さらに、
「不良が発生した際、製造条件を記録して上司へ報告し、原因調査に必要な情報を整理」
などを書けば、
品質への意識も伝えられます。
自己PRは「性格」ではなく「仕事のエピソード」から作る
自己PRで、
「責任感があります」
「コミュニケーション能力があります」
「努力家です」
と書くだけでは、なかなか伝わりません。
そこで、
実際の仕事とセット
にします。
例えば、
調整力
私の強みは、顧客と社内双方の状況を確認しながら調整する力です。営業として納期調整を担当する中で、顧客の希望だけでなく製造現場の生産状況も確認し、双方が納得できる納期を提案することを心掛けてきました。
こうすると、
「調整力があります」
という言葉に根拠ができます。
自分の強みそのものが分からない人は、オハナ転職の「自分に何ができるかわからない人向け」の記事から整理してみてください。
職務経歴書でやらない方がいい5つのこと
職務経歴書を書くときに気をつけたいことがあります。
1.仕事内容を羅列するだけ
何を担当したかだけではなく、工夫や経験も加えましょう。
2.抽象的な言葉ばかり使う
「コミュニケーションを大切にしました」
ではなく、
誰と、何について、どのように調整したのか。
まで書きます。
3.実績を盛る
これはおすすめできません。
面接で深掘りされると説明できなくなります。
小さな経験でも、事実を具体的に書く方がいいです。
4.全部書こうとする
職務経歴書は自分史ではありません。
応募する仕事と関係の深い経験を優先します。
5.どの会社にも同じ内容を送る
基本部分は同じで構いません。
ただし応募先によって、
どの経験を目立たせるか
は変えた方がいいです。
求人票と職務経歴書を並べてみよう
ここはかなり重要です。
職務経歴書がある程度できたら、
応募先の求人票と横に並べます。
例えば求人票に、
「顧客との折衝経験」
「社内関係部署との調整」
「Excelによる資料作成」
と書いてあったとします。
自分にもその経験があるなら、職務経歴書にも分かるように書きます。
採用担当者に、
「募集している仕事と、この人の経験がつながっている」
と思ってもらうためです。
求人票のどこを確認すればいいのか分からない場合は、「求人票の見方がわからない20代30代へ|転職で失敗しないチェックポイント7選」も合わせて読んでみてください。
職務経歴書と転職理由をつなげる
昨日の記事でも紹介したように、転職理由は、
現状 → 気づき → 未来
で考えると整理しやすくなります。
実は職務経歴書もつながっています。
例えば、
これまで
既存顧客中心の法人営業を5年間経験。
↓
転職理由
もっと顧客の課題に踏み込んだ提案営業をしたい。
↓
応募先
提案型営業を募集している会社。
↓
自己PR
顧客との関係構築や社内調整の経験を活かせる。
このように、
職務経歴書・転職理由・志望動機・自己PRを一本につなげる
と、応募書類全体に一貫性が出ます。
転職理由の作り方については、「転職理由の答え方|20代30代が面接で好印象を与える作り方と回答例」で詳しく解説しています。
書類選考に落ちたからといって「経験がない」とは限らない
一生懸命職務経歴書を作っても、書類選考に落ちることはあります。
すると、
「やっぱり自分には価値がないんだ」
と思ってしまうかもしれません。
でも書類選考は、
経験。
年齢。
勤務地。
年収。
採用人数。
応募者数。
企業側の事情。
など、さまざまな要素で決まります。
一社落ちたから、
「職務経歴書が全部ダメ」
とは限りません。
ただし何社も続けて通過しない場合は、
職務経歴書の内容。
応募する求人。
自分の経験との一致度。
を一度見直してみましょう。
この部分については、「書類選考に通る自信がない」記事で詳しく扱うことで、この記事とは役割を分けます。
この記事ではあくまで、
「自分の経験をどう職務経歴書に落とし込むか」
に集中してください。
ChatGPTを使って職務経歴書を作るなら「丸投げ」しない
今はChatGPTなどのAIを使って職務経歴書を作ることもできます。
これはかなり便利です。
ただ、
「営業を5年やっています。職務経歴書を書いて」
だけでは、ありきたりな文章になりやすいです。
おすすめなのは、
先に、
担当顧客数。
仕事内容。
扱った商品。
社内で関わった部署。
困った経験。
改善したこと。
お客様から評価されたこと。
などを箇条書きにしてAIへ渡すことです。
つまり、
AIに自分の経験を作ってもらうのではなく、自分の経験を伝わる文章に整理してもらう。
この使い方がいいと思います。
もちろん、事実と違う実績が追加されていないかは最後に自分で確認してください。
完成したら「採用担当者になったつもり」で30秒読む
職務経歴書が完成したら、一度閉じてください。
少し時間を置いてから、
採用担当者になったつもりで30秒だけ読む。
そして、
「この人は何をしてきた人?」
「何が得意?」
「うちで何ができそう?」
この3つに答えられるか確認します。
答えられない場合は、
情報不足というより、
重要な情報が埋もれている
可能性があります。
職務要約。
見出し。
箇条書き。
数字。
太字。
などを使って読みやすくしましょう。
職務経歴書は一度作って終わりではない
最初から100点の職務経歴書を作ろうとすると、なかなか完成しません。
まず70点くらいで作ってみる。
求人を見る。
応募する。
面接を受ける。
その中で、
「この経験についてよく聞かれるな」
「ここは説明しにくいな」
と気づきます。
そうしたら修正します。
職務経歴書も、
転職活動をしながら育てていけばいい
と思います。
まとめ|「すごい実績」より「自分がやってきたこと」を具体的に書こう
職務経歴書を書くと、
他人の経歴が立派に見えます。
売上1億円。
前年比150%。
社内表彰。
プロジェクトリーダー。
そんな言葉を見ると、
「自分には何もない」
と思ってしまうかもしれません。
でも、ほとんどの人は毎日の仕事の中で、
お客様と話したり。
同僚と調整したり。
問題を解決したり。
誰かを助けたり。
失敗して改善したり。
少しずつ経験を積んでいます。
それも立派な職務経歴です。
だから、
「何かすごい実績はないかな?」
から始めなくて大丈夫です。
まず、
「昨日、会社で何をした?」
と自分に聞いてみてください。
そこから、
誰と関わった?
何を任されていた?
どんな工夫をした?
何ができるようになった?
と掘り下げます。
すると、
「何もない」
と思っていた自分の仕事の中にも、意外とたくさんの経験が見つかります。
職務経歴書は、自分を実際以上に大きく見せるための書類ではありません。
今まで積み重ねてきた経験を、まだあなたを知らない会社の人に分かるように伝える書類
です。
派手な実績がなくても大丈夫。
まずは今日、
今まで担当した仕事を10個、箇条書きにしてみてください。
そこから、あなたの職務経歴書を作り始めましょう。
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(参考)
転職のサラタメさん 【書類作成の極意】履歴書・職務経歴書の書き方 超重要ポイントを徹底解説します。
マイナビ転職【公式】 【完全版】職務経歴書の書き方【キャリアアドバイザーが教える!】
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