
自分に向いている仕事がわからない人へ|適職の見つけ方
はじめに
「今の仕事が自分に合っている気がしない」
「転職したいけれど、自分に向いている仕事がわからない」
「そもそも、自分には何ができるんだろう……」
20代・30代で転職を考え始めると、このような悩みにぶつかる人は少なくありません。
特に、今の仕事しか経験したことがない場合、自分にどんな選択肢があるのか分からないのは自然なことです。
大切なのは、いきなり「自分の天職」を見つけようとしないこと。
自分の強み・苦手なこと・価値観・これまでの経験を整理して、「自分に合いそうな仕事」を少しずつ絞っていくほうが現実的です。
この記事では、自分に向いている仕事がわからない20代・30代に向けて、適職を見つける具体的な方法を紹介します。
自分に向いている仕事がわからないのは珍しくない
「もう30歳なのに、自分に向いている仕事すら分からない」
そんなふうに焦る必要はありません。
そもそも、世の中にどんな仕事があるのかをすべて知っている人はほとんどいません。
今まで経験した仕事が、
- 営業
- 接客
- 製造
- 事務
など限られた職種であれば、それ以外の仕事について知らないのは当然です。
つまり、
向いている仕事がないのではなく、まだ知らないだけ
という可能性があります。
転職活動では、最初から応募先を決める必要はありません。
まずは自分自身と仕事について知るところから始めてみましょう。
「向いている仕事=好きな仕事」とは限らない
適職を考えるときに注意したいのが、
「好きなことを仕事にしなければならない」
と思い込まないことです。
例えば、
「人と話すことが好き」
だからといって、必ず営業職が向いているとは限りません。
逆に、
「営業は特別好きではない」
という人でも、
- 相手の話を聞くのが得意
- 分かりやすく説明できる
- 人間関係を作るのが得意
といった強みがあれば、営業で高い成果を出せることがあります。
仕事選びでは、
「好き」だけでなく、「得意」「苦にならない」「大切にしたいこと」の3つを見る
ことが重要です。
自分に向いている仕事を見つける5つの方法
1.これまで「苦にならなかった仕事」を書き出す
最初におすすめしたいのが、過去の仕事を振り返ることです。
ここでポイントになるのが、
「得意だったこと」だけを探さないこと。
例えば、
- 人から相談されることが多かった
- Excelで資料を作るのが苦にならなかった
- お客様への説明は比較的好きだった
- 作業手順を改善するのが好きだった
- 新人に仕事を教えることが多かった
- 細かいチェック作業が苦にならなかった
などでも構いません。
本人にとって当たり前にできることほど、自分では「強み」と認識していないケースがあります。
「他の人は嫌がるけど、自分はそれほど嫌ではない」
という仕事も適職を探す大きなヒントです。
2.「やりたくない仕事」を明確にする
向いている仕事が分からないなら、逆から考えてみましょう。
例えば、
- ノルマが厳しい仕事は嫌
- 一日中デスクに座る仕事は苦手
- 人とほとんど話さない仕事は嫌
- 夜勤は避けたい
- 転勤したくない
- 単純作業だけの仕事は苦手
- 休日が少ない仕事は嫌
などです。
「やりたいこと」は分からなくても、
「これは嫌だ」は意外と分かるものです。
転職先の候補を100個から1個に決める必要はありません。
まず、
100 → 50 → 20 → 10
というように、合わない仕事を除外していけばいいのです。
3.仕事で何を大切にしたいか順位をつける
適職は能力だけで決まりません。
仕事に何を求めるかも重要です。
例えば、
- 年収
- 安定
- 休日
- 成長
- やりがい
- 人間関係
- 裁量
- 在宅勤務
- 専門性
- 出世
- ワークライフバランス
などがあります。
全部を満たす会社を探そうとすると、なかなか転職先を決められません。
そこで、
絶対に譲れない条件を3つ程度に絞ってみましょう。
例えば、
1位:休日
2位:年収
3位:仕事内容
という人もいれば、
1位:成長できる環境
2位:仕事内容
3位:年収
という人もいます。
ここに正解はありません。
自分にとって何が重要なのかを明確にすることが大切です。
4.適職診断を「答え」ではなくヒントとして使う
自分だけで考えても分からない場合は、適職診断を使ってみる方法もあります。
厚生労働省の「job tag(職業情報提供サイト)」には、
- 職業興味検査
- 仕事価値観検査
- 職業適性テスト(Gテスト)
- しごと能力プロフィール
- キャリア分析
など、自分に合う職業を探すための機能があります。
ただし、診断結果に出てきた職業を「これが自分の天職だ」と考える必要はありません。
適職診断は、
「自分にはこんな選択肢もあるんだ」
と仕事の候補を広げるために使うのがおすすめです。
5.第三者に「自分の強み」を聞いてみる
自分のことは、意外と自分では分かりません。
そこで、
- 家族
- 友人
- 同僚
- 元同僚
- 上司
などに、
「自分って何が得意だと思う?」
と聞いてみるのもおすすめです。
自分では普通だと思っていたことを、
「説明が分かりやすいよね」
「人の話を聞くのがうまい」
「数字をまとめるのが得意だよね」
と言われることがあります。
それが適職を見つけるヒントになります。
自分の強みが分からない場合はどうする?
「そもそも自分には強みなんてない」
と思っている人もいるかもしれません。
しかし、強みは資格や特別なスキルだけではありません。
例えば、
| 経験・特徴 | 仕事で活かせる可能性 |
|---|---|
| 人の話を聞くのが得意 | 営業・人事・接客・カスタマーサポート |
| コツコツ作業できる | 事務・経理・品質管理・IT |
| 説明するのが得意 | 営業・教育・コンサル・サポート |
| 数字を見るのが好き | 経理・データ分析・マーケティング |
| 改善するのが好き | 生産管理・業務改善・IT・コンサル |
| 人をまとめるのが得意 | 管理職・施工管理・プロジェクト管理 |
このように、
普段何気なくやっていることを仕事のスキルに置き換えて考える
ことがポイントです。
「自分にはスキルがないから転職できない」と感じている人は、こちらの記事も参考にしてみてください。
→ 「転職したいけどスキルがない20代・30代へ|何から始める?」
経験を棚卸ししてみると、自分では気づいていなかったスキルが見つかることがあります。
向いている仕事は「考えるだけ」では分からない
適職探しで陥りやすいのが、
「もっと自己分析してから動こう」
と考え続けてしまうことです。
もちろん自己分析は重要です。
しかし、仕事について知らない状態で自分だけを分析しても、答えが出ないことがあります。
そこでおすすめなのが、
自己分析と求人検索を同時に進めること。
例えば求人サイトで、
「この仕事、ちょっと面白そう」
と思った求人を保存していきます。
10~20件ほど保存すると、
「顧客と関わる仕事が多い」
「IT系に興味を持っている」
「年収より休日を重視している」
など、自分の傾向が見えてくることがあります。
求人を見ること自体も自己分析になるのです。
転職エージェントに相談して適職を探す方法もある
自分だけで考えても分からない場合は、転職エージェントに相談する方法もあります。
転職エージェントを使うメリットの一つは、
自分では考えていなかった職種を提案してもらえる可能性があることです。
例えば、
「営業経験しかないから次も営業」
と思っていた人でも、経験を分解すると、
- 顧客折衝
- 課題発見
- スケジュール管理
- 資料作成
- 社内調整
など、他職種でも活かせるスキルを持っていることがあります。
まだ転職すると決めていなくても、キャリア相談を利用することはできます。
「転職エージェントに相談したら転職しなければならないのでは?」
と不安な人は、こちらも参考にしてください。
→ 「転職エージェントは相談だけでもOK?転職するか迷っている人の使い方」
まずは自分の市場価値や選択肢を知るために利用する、という考え方でも問題ありません。
「向いている仕事」を探すより「合わない仕事」を減らしていこう
適職探しというと、
「自分に100%向いている仕事を見つけなければ」
と考えてしまいがちです。
しかし、最初から完璧な仕事を見つける必要はありません。
むしろ、
自分に合わない条件を一つずつ減らしていく
と考えたほうが仕事を選びやすくなります。
例えば、
今の仕事で、
「仕事内容は嫌いじゃないけど、会社の雰囲気が合わない」
のであれば、職種を変える必要はないかもしれません。
反対に、
「会社は嫌いではないけれど、仕事内容にまったく興味を持てない」
のであれば、職種変更を検討する価値があります。
「会社が合わない」のか「仕事そのものが合わない」のかを分けて考えることが大切です。
自分に向いている仕事が分からない人が今日やること
ここまで読んでも、
「結局、何から始めればいいの?」
と思うかもしれません。
その場合は、今日30分だけ使って次の3つを書いてみてください。
①苦にならなかったこと
過去の仕事で比較的ラクにできたことを書きます。
②嫌だったこと
もう二度とやりたくない仕事・環境を書きます。
③次の仕事で欲しいもの
年収・休日・仕事内容・成長・勤務地などから、上位3つを決めます。
これだけでも、
「自分が次の仕事に何を求めているのか」
がかなり整理されます。
転職するかどうかは、適職を調べてから決めてもいい
自分に向いている仕事が分からないからといって、すぐに会社を辞める必要はありません。
まずは、
自己分析 → 適職を調べる → 求人を見る →相談する
という順番で進めてみましょう。
求人を見たり転職エージェントに相談したりした結果、
「今の会社も意外と悪くない」
と気づく可能性もあります。
反対に、
「こんな仕事があったんだ」
「この経験なら別の業界でも活かせそう」
という発見があるかもしれません。
転職するかどうか自体で迷っている人は、
→ 「転職するか迷っている人へ|後悔しない判断基準と考え方」
もあわせて読んでみてください。
転職活動を始めることと、実際に転職することは別です。
まずは選択肢を知ってから判断しても遅くありません。
まとめ|適職は「見つける」より「絞っていく」
自分に向いている仕事が分からないと、
「自分には何もないのでは?」
と不安になることがあります。
しかし、適職は突然見つかるものではありません。
自分を知る → 仕事を知る → 比較する
この繰り返しによって、少しずつ候補が見えてきます。
まずは、
- 苦にならないこと
- やりたくないこと
- 得意なこと
- 大切にしたい価値観
- これまで身につけたスキル
を書き出してみましょう。
そして、求人サイトや適職診断、転職エージェントなどを使って「自分の知らない仕事」を知ってください。
大切なのは、
最初から正解を当てようとしないことです。
「この仕事なら今より自分に合うかもしれない」
という候補を3つ、5つと見つけるところから始めれば十分です。
その小さな行動が、自分に合った働き方を見つける第一歩になります。