
【要約&解説】センスは才能じゃない!脳を鍛えて“仕事センス”を身につける方法
~加藤俊則『センスは脳で磨かれる』第1章まとめ~
◆ この記事のポイント
- センスは才能ではなく「脳の使い方」で磨ける
- 仕事で結果を出す人は、知識やスキル以上に“センス”がある
- センスの正体は「情報を感じ取り、判断し、的確に行動する力」
- 鍛えるべきは“記憶”より“感性”と“右脳”
- センスのある人は共通して「柔軟・シンプル・共感力・アウトプット志向」

◆ センスとは、総合的な脳の働き方
「センスがあるね」と言われたことがありますか?
それは最大級の褒め言葉の一つです。仕事でも日常でも、優れた判断や対応を見せる人は「センスがいい」と評価されます。
加藤俊則氏によれば、センスとは記憶力や論理力などの個別能力ではなく、右脳中心の「総合的な脳の使い方」だと述べています。
つまり、センス=状況を読み取り、判断し、即座に行動する力。
◆ デキる人はみんな“センス脳”
産業能率大学の調査では、多くの企業マネージャーが「仕事センス」を重視していると回答。
記憶力や知識だけではなく、次のような人がセンスのあるビジネスパーソンだとされています:
- 周囲を巻き込んでテンポよく進める人
- 相手の意図を的確にくみ取る人
- 問題をシンプルにし、着実に処理する人
これは学校の成績とは別物。むしろ、知識型人材が陥る“硬直化”にこそ注意が必要です。
◆ センスの脳をつくるカギは「感性」と「右脳」
従来は、左脳=言語・論理が重視されてきました。
しかし、現代では右脳=感覚・感性の力がますます重要になっています。
センスを支える脳の中心は「海馬」。ここで記憶の取捨選択が行われています。
重要なのは、情報を詰め込むよりも「刺激に反応し、記憶や感覚をネットワーク化する力」を育てること。
この総合処理こそが「センス脳」の正体です。

◆ センスがある人の5つの特徴
- 先を読む力がある
状況を冷静に観察し、次に起きることを予測する力。 - 無駄をしない
ポイントを即座に見極め、優先順位をつけて効率的に動ける。 - 柔軟性がある
思考が固まらず、状況に応じて最適解を選べる。 - クリエイティブである
自分の物差しを持ち、アイデアと改善意欲が高い。 - 共感力に優れている
人の気持ちを察知し、良好な関係を築ける。
◆ センスとはアウトプット前提の行動力
センスは「表現(アウトプット)」を前提とした感性です。
つまり、インプットした情報を選び取り、自分なりに表現して初めて磨かれるのです。
そのためには、五感や身体を使って“情報に触れる力”が欠かせません。
センスの源泉は身体的な体験と運動。
「よく動く人」「よく感じる人」ほど、センスが磨かれていきます。
◆ センスは「常識を壊す力」でもある
著者はセンスの定義として、次の5つを挙げています。
- 常識や既成概念を壊す力
- 個性的で多様性に富む
- アウトプットを前提とする
- 感覚×思考の統合体
- ごまかしや嘘が通用しない誠実さ
つまり、センスとは外部の基準に流されず、自分の感覚を研ぎ澄ませ、表現しようとする「創造的な人間の力」なのです。

◆ 「おじさん脳」になる前に、センスを磨け!
年齢とともに人間の脳はルーティン処理を優先するようになります。
これは効率化の一方で、「思考停止」や「マンネリ化」を招く危険も。
著者はこれを「おじさん脳」と名づけ、警鐘を鳴らしています。
感性やセンスを磨くには、常に新しい刺激と挑戦が必要。
たまにはスーパーではなく市場に行く。いつもと違う道を歩く。それだけでも脳は目覚めるのです。
◆ まとめ:センスは“誰でも磨ける”
「センスがある人」は生まれつきの天才ではありません。
意識と行動を変えることで、誰でもセンス脳になれる。
それが、加藤俊則氏の主張です。
センスは、知識でもスキルでもありません。
自分の五感と感性を使い、状況を読み、判断し、表現すること。
それを支える脳の使い方が「センス脳」なのです。
参考
加藤俊則著 センスは脳で磨かれる