アメリカンドリームはまだ生きている！：億万長者の挑戦、逆境を乗り越えるビジネス術３／８

100万ドルをポケットマネーから自腹で出す覚悟で、見知らぬ土地エリーでゼロから100万ドル規模のビジネスを90日間で築き上げるグレン・スターンズの挑戦。今回は、彼が直面した最大の壁と、それを乗り越えようとするビジネスマンとしての真骨頂に迫ります。

クラフトビール事業の暗礁：立ちはだかる許可の壁

前回、グレンはエリーで成長著しいクラフトビール業界への参入を決めました。しかし、ここで思いがけない壁にぶつかります。弁護士のテッド・セラーズから告げられたのは、「ビール醸造の許可を90日以内に取得するのは絶対に不可能」という厳しい現実でした。

90日という限られた時間の中で、事業の根幹を揺るがすこの問題は、グレンを大いに悩ませます。しかし、彼は優れたビジネスマンとして、すぐに軌道修正の必要性を悟ります。

「全ての仕事が計画通りいくわけではありません。優れたビジネスマンは急な変更や心構えを常に持っている。」

この言葉通り、グレンは即座に新たな戦略を練り始めます。

困難の中に見出す新たな道：バーベキューとビールの融合

グレンは、クラフトビール業界への参入は諦めず、許可なしでもビールを販売できる方法を模索します。そして思いついたのが、バーベキューとビールを融合させたレストランというアイデアでした。

エリーには本格的なバーベキュー店が少ないこと、そして地元のクラフトビール文化が盛んであることに着目。店で地元のブルワリーが作る様々なクラフトビールを提供するだけでなく、将来的にはアンダードッグ・バーベキューのオリジナルビールも開発し、全国展開を目指すという壮大な構想を描きます。

「エリーはアンダードッグの町だ。だからこそ挑戦し、見返してやりたい。」

グレンは、自らの人生が常にアンダードッグとして努力し、上を目指してきた経験と、エリーの街が持つ「復活」への強い意志を重ね合わせ、このコンセプトに深い意味を込めます。

信頼できるチームの構築：プロフェッショナルとの協業

新たなビジネスプランを具体化するため、グレンは強力なチームを結成します。

マット: ビール業界の経験を活かし、アンダードッグのオリジナルビール開発と全国展開の責任者に。
RJ: バーベキュー部門の責任者として、ピットマスター探しとバーベキューリサーチを担当。
クリス: SNSを活用したマーケティングと地域との連携を担う。
アルマンド: インテリアデザイナーとして、レストランの魅力的な空間づくりを担当。

グレンは、彼らに労務出資の形で参加を促します。すぐには給料を払えない状況で、自身のビジョンと情熱を共有し、共に夢を追いかける仲間として巻き込んでいくのです。

「何かを成し遂げた人間は必ず素晴らしい人材に周りを固めてもらっているものだからね。」

グレンは、チームメンバーにそれぞれの得意分野を任せ、自主性を尊重します。彼らの持つ専門知識と情熱が、ビジネスを成功へと導く鍵だと信じているのです。

不動産転売で資金を確保：予期せぬ困難

レストラン開業資金を稼ぐため、グレンは不動産転売に全力を注ぎます。最初の投資として、エスカレードの転売で得た資金と自己資金を合わせて、1400ドルの頭金で家を競り落とします。目標は、リフォーム後に8万ドル以上で売却し、4万ドルの利益を上げることです。

しかし、ここでも予期せぬ困難がグレンを襲います。購入した家をリフォーム中に、壁にカビが大量に発生していることが発覚したのです。専門家による調査が必要となり、追加費用が発生することは避けられません。

「カビだ。専門家に調べてもらうけどいくらかかるか想像がつかない。しくじったよ。これが分かっていたらこの家から手を引いてたかもしれない。」

手持ちの資金がほとんどない状況で、このカビ問題はグレンを絶望の淵に追い込みます。ビジネスの未来が、この家の転売にかかっているだけに、彼のプレッシャーは計り知れません。

逆境こそが真価を問う：リーダーシップと信頼

しかし、グレンは諦めません。彼はこの逆境を乗り越えるために、チームを信頼し、彼らの力を最大限に引き出そうとします。

アルマンドに家のリフォームプロジェクトの全責任を任せ、彼女の専門知識と情熱を信じます。
RJには、進捗が芳しくなかったバーベキュー部門の責任を改めて明確にし、彼のやる気を引き出すように促します。

グレンは、自らが「サーバント・リーダーシップ」の姿勢を取り、チームメンバーが最高のパフォーマンスを発揮できるよう支えることに徹します。

「必要なのはリトルリーグの選手じゃない。メジャーリーグのドラフト1巡目で選ばれる優秀な人材なんだからね。」

困難な状況に直面しても、チームメンバーを鼓舞し、彼らの能力を信じるグレンのリーダーシップが、この挑戦の鍵を握っています。

アメリカンドリームは、逆境の中でこそ輝く

クラフトビールの許可問題、バーベキュー事業の立ち上げ、そして不動産リフォームでのカビ問題。次々と立ちはだかる壁に、グレンは「もう終わったような気がしてきた」と弱音を吐露する場面もありました。

しかし、彼は決して諦めません。自らの経験と知識、そして何よりも人とのつながりを武器に、泥だらけになりながらも前進し続けます。

この挑戦は、単なるビジネスの成功物語ではありません。それは、逆境の中でこそ真価を問われる人間の精神力、そして、信頼と協力の力がいかに重要であるかを教えてくれるものです。アメリカンドリームは、決して失われていない。それは、困難な状況に立ち向かい、自らの手で未来を切り開こうとする人々の心の中に、今も生き続けているのです。

グレンのこの先の挑戦はどうなるのでしょうか？カビ問題は解決するのか、そしてバーベキューとビールのレストランは無事オープンできるのか。彼の挑戦から目が離せませんね。

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