
あなたの「働く理由」はどのレベル? 名著『仕事の思想』から学ぶ一流ビジネスパーソンの条件
私たちは毎日、せっせと働いています。その理由は一体何でしょうか?「お金のため」と答える人が大半かもしれません。しかし、日本総合研究所の取締役を歴任し、数々の名著を世に送り出してきた田坂広志氏の著書『仕事の思想』は、私たちが働く理由、そして仕事の報酬について、骨太すぎる本質論を語りかけてきます。
「仕事の報酬は給料じゃない。仕事の報酬は仕事だ。」
この言葉に、あなたはどんな感情を抱くでしょうか?「また社畜を美化するのか」と感じる人もいるかもしれません。しかし、田坂氏が提唱する「仕事の報酬」の考え方を深く理解すれば、日々の仕事への向き合い方が大きく変わるはずです。
もちろん、この思想を**「こじらせる」**と、ただ酷使され、搾取されるだけの「下僕的奴隷的サラリーマン」になりかねないという危険性もはらんでいます。だからこそ、その本質を正しく理解することが重要なのです。
「仕事の報酬」4つのレベル:あなたは今どこにいる?
田坂氏は、私たちが働く理由や仕事の報酬を、4つの段階で表現しています。あなたの今の状態はどのレベルに当てはまるでしょうか?
レベル1:仕事の報酬は「給料」
これは、多くの人が最初に抱く「働く理由」でしょう。
「本当は就職なんてしたくなかった。ジャズの演奏者になりたかったけど、それだけでは食べていけないから、ジャズを続けるためにお金を稼ぐ手段として商社で働く。」
こんな考え方で仕事を始める人は少なくありません。仕事はあくまでお金を稼ぐための手段であり、楽しさや喜びはプライベートに求める。これが「レベル1」の状態です。決して悪いことではありませんが、一流のビジネスパーソンを目指すなら、ここからレベルアップしていく必要があります。
レベル2:仕事の報酬は「能力」
社会人3年目を迎え、以前は嫌々やっていた仕事が、なぜか面白くなってきた。
「できなかったことができるようになるのが楽しい!」 「RPGゲームのように、自分のスキルが上がっていくのが面白い!」
この感覚こそが、レベル2に到達した証です。給料以外に、自分の能力が向上していくこと自体を喜びと感じるようになります。まるで絵の具が増えていくように、自分の「武器」が増え、仕事そのものが楽しくなってくる段階です。振られた仕事をそつなくこなせるようになることが喜びになります。
レベル3:仕事の報酬は「仕事」
社会人10年目にもなると、もはやかつて夢中だった趣味よりも、仕事の話ばかりしてしまう。ジャズの話よりも、仕事の話の方が楽しくなってきた。
具体的に何が楽しいのか? 「やりたい仕事に移行し、それを任せてもらえるようになった。」 「任された仕事を、自分のやりたい方法で実現できるようになった。」
これは、能力がついてきたことで、魅力的な仕事を自ら掴み、自分なりにアレンジできるようになった状態です。つまり、受け身(受動的)だった仕事が、自分から主体的に(能動的)なものに変わっていくのです。
このレベルに到達するために非常に重要となるのが、企画力です。単に「これをやりたい」と手を挙げる積極性だけでなく、「三方よし」の視点で物事を考え、実現する力。つまり、自分はもちろん、自分が所属する会社、そして顧客・社会の三者を「丸ごとハッピーにできる」アイデアを構想し、実現する力です。自分がやっている仕事の「表側」だけでなく、「裏側」で何が動いているのか、人・物・金・情報がどう流れているのか、その全体像を把握することが、このレベルへと導きます。
レベル4:仕事の報酬は「人間的成長・成熟」
40代後半になり、もはや会社にとって、そして社会にとって、なくてはならない存在になった段階。ここでは、スキルアップといった職人的な成長だけでなく、人間としての成長や成熟そのものを報酬と捉えるようになります。
「仕事内容なんて、もはや何でもいい。会社と社会を喜ばせたい、貢献したいという気持ちがあり、そのためなら自分が犠牲になってもいい。」
このレベルでは、「三方よし」すらも超越し、自分というプレイヤーは二の次になります。多少の自己犠牲があっても、それが社会貢献に繋がるなら、それを損とは捉えず、むしろ喜びと感じるのです。誰かに貢献し、自分の人間性を高めることを報酬とする。それは、誰にも奪われることのない、最も崇高な報酬だと言えるでしょう。トラブルすらも心から喜べる境地です。
『仕事の思想』を「こじらせない」ために
田坂氏の主張は非常に力強く、私たちを鼓舞してくれます。しかし、「仕事の思想」を誤解し、ただひたすらに自己犠牲を強いる働き方をしてしまうと、本末転倒です。
重要なのは、これらのレベルを「強要されるもの」ではなく、「目指すべき段階」として捉えることです。
- 自分を犠牲にしすぎないバランス: レベル4の「自己犠牲」は、あくまで「それすら喜び」と感じられる境地であって、常に無理をして自分をすり減らすことではありません。自分の健康や幸福も大切にしながら、段階的にレベルアップを目指しましょう。
- 主体性の追求: レベル1から2、そして3へと進む過程で、常に**「なぜ自分はこの仕事をしているのか」「どうすればもっと面白く、主体的に取り組めるのか」**を自問自答することが大切です。
- スキルと機会の獲得: レベル3に至るには、企画力や実行力といった具体的なスキルが必要です。また、それらのスキルを発揮できる機会を自ら掴みに行く積極性も欠かせません。
まとめ:あなたの仕事は、何をもたらしてくれますか?
田坂氏の『仕事の思想』は、私たちが当たり前だと思っている「働くこと」の根源を問い直す一冊です。
- 仕事の報酬は給料だけではない。
- 能力向上、仕事そのもの、そして人間的な成長と成熟が、真の報酬となる。
これらのレベルを意識し、日々の仕事にどんな価値を見出していくのかは、あなた次第です。今日、明日も、なぜせっせと働くのか?その問いの答えが、あなたの仕事の質、そして人生の豊かさを決めるかもしれません。
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参考
サラタメさん 自分が恥ずかしくなるレベルの本質 名著 仕事の思想が語る一流ビジネスパーソンの条件