
どんな人がこの記事を読むべきか
この記事は、次のような悩みを持つ人に向いています。
・仕事を頑張っているのに、なぜか空回りしてしまう人
・何から手をつければいいかわからず、いつも後回しになってしまう人
・上司や同僚と話しても、話が噛み合わずモヤモヤする人
・転職したいけれど、今の仕事を辞めるべきか続けるべきか整理できない人
・仕事ができる人は、何をどう考えているのか知りたい人
この記事を読むことでどうなるか
この記事を読むと、仕事や転職の悩みを「なんとなく不安」で終わらせず、「何を考えれば前に進めるか」が見えるようになります。
・今の自分が何に困っているのか整理できる
・問題の中でも、本当に大事なことを見つけられる
・無駄な努力を減らして、行動しやすくなる
・転職するべきか、今の職場で改善すべきか考えやすくなる
・仕事ができる人の考え方を、自分の毎日に取り入れられる
はじめに
仕事がうまく進まないとき、多くの人は「自分の能力が足りないのかも」と考えがちです。
でも実際には、能力より先に見直したほうがいいものがあります。
それが「考え方」です。
目の前の仕事に追われていると、つい「とにかく頑張る」方向に進みます。ですが、どれだけ頑張っても、考える順番や見るポイントがずれていると、成果は出にくくなります。
今回紹介するのは、そんなときに役立つ「イシュー思考」という考え方です。
少し難しそうに聞こえるかもしれませんが、やっていることはとてもシンプルです。
「今いちばん考えるべきことは何か」
「その問題を解けたら、本当に前に進めるのか」
これを見極める考え方です。
この記事では、上記の内容をわかりやすく整理しながら、仕事や転職でどう役立つのかを具体例つきで紹介していきます。
イシュー思考とは何か
イシュー思考とは、問題を解決するときに「本当に向き合うべき大事な問い」を見つける考え方です。
仕事では、問題が起きるとすぐに行動したくなります。
・売上が下がっている
・ミスが増えている
・仕事が終わらない
・転職したい気持ちが強くなっている
こうしたとき、多くの人はすぐに方法を探します。
・とにかく残業する
・資格を取る
・転職サイトに登録する
・上司に相談する
・本を読む
もちろん、どれも悪いことではありません。
ただし、その前に「そもそも何が本当の問題なのか」を見ないと、ずれた努力になることがあります。
イシュー思考では、まずここを考えます。
「今の問題を根本から変えるために、何を考えるべきか」
この問いを見つけることが、最初の大事な一歩です。
イシューとは「解く価値のある問い」
本文では、イシューとは次の2つを満たすものだと説明されています。
1 解くことができる
2 解いたときの効果が大きい
この2つがとても大切です。
たとえば、「今の給料が少なくて苦しい」という悩みがあるとします。
このとき、次の3つの考え方があったとします。
・どうすれば宝くじで一等を当てられるか
・どのカードローンでお金を借りるか
・どうすれば収入を増やせるか
この中で本当に考える価値があるのは、最後の「どうすれば収入を増やせるか」です。
なぜなら、宝くじはほぼ運まかせで、解ける問題ではありません。
カードローンは一時しのぎにはなっても、根本解決にはなりません。
でも収入を増やす方法を考えることは、工夫すれば現実的に進められて、生活を変える大きな力になります。
つまり、イシューとは「解けるし、解けたら人生や仕事が変わる問い」のことです。
なぜ仕事ができる人ほどイシュー思考を使っているのか
仕事ができる人は、最初から作業が速いわけではありません。
実は「何を先に考えるべきか」を見つけるのが上手いのです。
たとえば、会議で話が長いのに結論が出ない人は少なくありません。
それは能力が低いからではなく、考えるべき問いが定まっていないことが多いです。
反対に、仕事ができる人はこう考えます。
・この会議の目的は何か
・決めるべきことは何か
・今足りない情報は何か
・誰が何を判断すれば前に進むか
つまり、話す前に「本当に大事な論点」をつかんでいるのです。
この差が、仕事のスピードやわかりやすさの差になります。
イシュー思考の流れは6つある
本文では、イシュー思考には大きく6つの流れがあると説明されています。
ここでは、もっとわかりやすく言い換えます。
1 何に困っているかをはっきりさせる
2 どうなれば理想なのかを決める
3 本当に考えるべき問いを見つける
4 その問いを小さく分ける
5 調べたり考えたりして答えを出す
6 最後に結論としてまとめる
順番に見ていきましょう。
1 何に困っているかをはっきりさせる
問題解決の出発点は、「自分は何に困っているのか」を言葉にすることです。
ここがあいまいだと、考えても動いても前に進みません。
たとえば「仕事がつらい」と感じている人でも、実際には中身が違います。
・仕事量が多すぎる
・人間関係がつらい
・評価されない
・仕事内容が合わない
・将来が見えない
同じ「つらい」でも、原因が違えば対策も変わります。
転職に悩む人も同じです。
「辞めたい」と思っていても、本当は「今の部署が合わないだけ」かもしれませんし、「今の会社に未来がない」のかもしれません。
まずはここをはっきりさせることが大事です。
2 どうなれば理想なのかを決める
次に必要なのは、「どうなれば解決なのか」を決めることです。
これを決めないまま動くと、ゴールのないマラソンになります。
たとえば、
・残業を月10時間減らしたい
・今より年収を50万円上げたい
・人間関係のストレスが少ない職場で働きたい
・3か月後には転職活動を始められる状態にしたい
このように、できるだけ具体的にします。
本文でも、「いつまでに、どうなっていたいか」を言葉にする大切さが何度も語られています。
これは転職でもとても重要です。
「転職したい」だけでは弱いのです。
「半年後までに、今よりも働きやすく、将来性のある業界に移りたい」と決めることで、初めて行動しやすくなります。
3 本当に考えるべき問いを見つける
ここがイシュー思考の中心です。
たとえば、仕事が終わらない人がいたとします。
この人が考えるべき問いは、次のどれでしょうか。
・どうすればもっと長時間働けるか
・どうすれば睡眠を削れるか
・どうすれば今の仕事の優先順位を整理できるか
考えるべきなのは最後です。
長く働くことや睡眠を削ることは、根本解決ではありません。
でも優先順位を整理できれば、仕事の進み方そのものが変わるかもしれません。
転職でも同じです。
・どうすれば今すぐ辞められるか
・どの転職サイトが有名か
・そもそも今の悩みは転職でしか解決しないのか
本当に大事なのは、3つ目の問いであることが多いです。
今の苦しさは、部署異動や働き方の見直しで解決するかもしれません。
逆に、会社そのものが合わないなら転職が必要かもしれません。
この見極めこそが、イシューです。
4 問いを小さく分ける
大きな悩みは、そのままだと考えにくいものです。
たとえば「転職すべきか」という大きな悩みを、そのまま抱えると頭が混乱します。
なので、小さく分けます。
・今つらい原因は何か
・その原因は会社を変えないと解決しないか
・自分は何を大事にして働きたいのか
・転職した場合に得られるものは何か
・失うものは何か
・今の市場で自分に可能性はあるか
このように分けると、考えやすくなります。
本文では、これを「イシューを分解して体系化する」と説明しています。
少し難しい言葉ですが、要するに「大きな悩みを、考えやすい形にほどくこと」です。
5 仮説を立てて動く
本文でとても大事にされているのが「仮説思考」です。
これは、最初から完ぺきな答えを出そうとしないことです。
まずは仮の答えを置いて、そこから考えたり試したりするやり方です。
たとえば転職についてなら、
「自分は人間関係よりも、成長できないことに強く不満を感じているのではないか」
こうした仮の答えを置きます。
そのうえで、自分の毎日や過去を振り返ります。
・本当にそう感じているか
・人間関係がよければ続けられたのか
・成長できる仕事なら今より頑張れそうか
このように考えると、自分の本音が見えてきます。
仕事でも同じです。
「自分の仕事が遅い原因は、能力不足ではなく優先順位のつけ方かもしれない」
こう仮説を置いてみると、改善の方向が見えます。
完ぺきな正解を待つより、まず仮の考えを置いて進めるほうが、ずっと前に進みやすいのです。
6 最後に結論としてまとめる
イシュー思考では、考えて終わりではありません。
最後に大事なのは、ここまで考えてきたことを「結局どうするのか」という形でまとめることです。
仕事でも転職でも、途中まではよく考えられていても、最後の結論がはっきりしていないと行動につながりません。
だからこそ、最後には自分の考えをひとつの答えとして言葉にすることが必要です。
たとえば、転職に悩んでいる人がここまで考えた結果、
・今のつらさの原因は人間関係ではなく成長できないことだった
・今の会社ではその不満が解決しにくい
・将来を考えると、環境を変えたほうがよい
・未経験転職は不安だが、準備すれば十分に挑戦できる
というところまで整理できたとします。
このとき、最後に結論としてまとめる内容は、
「自分は今すぐ勢いで辞めるのではなく、3か月で準備を進めたうえで、成長できる業界への転職を目指す」
のようになります。
ここまで言葉にできると、次にやることも見えてきます。
・求人を調べる
・必要なスキルを確認する
・職務経歴書を作る
・転職エージェントに相談する
つまり、最後に結論としてまとめることで、悩みが行動に変わるのです。
仕事の場面でも同じです。
たとえば「仕事が終わらない」という悩みについて考えた結果、
・原因は能力不足ではなく優先順位のずれだった
・緊急ではない作業に時間を使いすぎていた
・まず改善すべきは仕事の速さではなく、仕事の選び方だった
とわかったなら、最後の結論は、
「自分は全部を頑張るのではなく、毎朝その日にやるべき最重要の3つを決めてから動く」
とまとめられます。
このように、最後の結論は難しく書く必要はありません。
大切なのは、次の3つが入っていることです。
・何が本当の問題だったのか
・これから何をするのか
・いつから動くのか
ここまでまとめて初めて、イシュー思考は力を発揮します。
本文に自然につながる短い一文も付けるなら、直前に次のような文章を入れると流れがきれいです。
ここまで考えて整理したら、最後は「では自分はどうするのか」を結論としてまとめます。考えるだけで終わらせず、行動につなげることが大切です。
仕事での具体的な活かし方
ここからは、仕事でどう役立つのかを具体的に見ていきます。
仕事が終わらない人のケース
たとえば、毎日残業しているのに仕事が終わらない営業職の人がいたとします。
この人は最初、「もっと早く作業しなければ」と思っていました。
でもイシュー思考で考えると、別の問いが出てきます。
「本当に問題なのは、作業スピードなのか」
「そもそも、優先順位の決め方がずれているのではないか」
そこで1週間の仕事を書き出してみたところ、
緊急ではない資料づくりに時間を使いすぎていて、本当に大事な顧客対応が後回しになっていたと気づきました。
この場合のイシューは、
「どうすれば速く働くか」ではなく、
「どうすれば本当に大事な仕事に時間を使えるか」だったのです。
この問いに変わったことで、仕事のやり方が変わり、残業も減っていきました。
会議で話がまとまらないケース
別の例では、チーム会議が毎回長引くのに何も決まらない職場があります。
このとき多くの人は、
「もっと意見を出そう」
「もっと資料を増やそう」
と考えます。
でも本当の問題は、
「この会議で決めることは何かが共有されていない」
ことかもしれません。
つまりイシューは、
「どうすれば活発な会議になるか」ではなく、
「この会議で決めるべきことをどう明確にするか」
です。
これが見えれば、会議の最初に
「今日はA案とB案のどちらで進めるかを決めます」
と伝えるだけで、話し合いはかなり変わります。
転職での具体的な活かし方
イシュー思考は、転職の判断でもとても役立ちます。
転職したいのに決めきれない人のケース
たとえば30代の人が、「今の会社を辞めたいけど、転職して後悔したらどうしよう」と悩んでいたとします。
この人は毎日、
「辞めるべきか、辞めないべきか」
だけを考えていました。
でもこれは大きすぎる問いなので、答えが出ません。
そこで、問いを分けます。
・今の会社でいちばん苦しいことは何か
・それは改善の余地があるか
・転職先に求めるものは何か
・収入、働き方、やりがいのうち何を優先するか
・転職しない場合、1年後どうなっているか
こうして整理すると、この人は
「本当は会社が嫌なのではなく、成長できないことがつらい」
と気づきました。
その結果、
「今すぐ辞めるかどうか」ではなく、
「成長できる仕事に移るには何を準備すべきか」
というイシューに変わりました。
すると、資格勉強や業界研究、面接準備といった具体的な行動につながっていきます。
今の職場を辞めるべきか悩む20代のケース
20代では、「仕事がつらい」と感じると、自分が社会人に向いていないのではと不安になりやすいです。
でも、その不安の中身を分けてみると違うことがあります。
・仕事そのものが合わない
・教え方が雑で、成長しにくい
・人間関係が悪い
・期待が高すぎて苦しい
・まだ慣れていないだけ
この違いはとても大きいです。
もし「まだ慣れていないだけ」なら、少し続けることで楽になるかもしれません。
でも「会社の育て方に問題がある」なら、早めに環境を変えたほうがいいこともあります。
つまり、転職の前に考えるべきイシューは
「辞めるべきか」ではなく、
「今の苦しさの正体は何か」
であることが多いのです。
イシュー思考を使うときの大事なポイント
ここで、本文の内容をもとに重要なポイントをわかりやすくまとめます。
目的を忘れない
仕事でも転職でも、手段が目的になりやすいです。
たとえば、
「転職すること」そのものが目的になってしまうと危険です。
本当の目的は、よりよく働けること、安心して暮らせること、自分らしく成長できることのはずです。
転職はそのための手段です。
同じように、
資格を取ることも、会議を開くことも、努力することも全部手段です。
「何のためにそれをするのか」を忘れないことが大切です。
最初から正解を求めすぎない
本文では、「最初の仮説は間違っていてもいい」と何度も語られています。
これはとても大事です。
転職でも仕事でも、最初から完ぺきな答えを出そうとすると止まってしまいます。
それよりも、
「たぶん自分はこういう働き方が合う」
「問題はこのあたりにある気がする」
と仮に置いてみることが大事です。
そのうえで、調べたり、人に相談したり、実際に動いてみたりして修正していけばいいのです。
大きな問題は小さく分ける
悩みが大きいと、人は動けなくなります。
・転職すべきか
・この会社でいいのか
・自分は何がしたいのか
こうした問いは大きすぎます。
だからこそ、
・今いちばんしんどいことは何か
・それは環境の問題か、自分の力不足か
・半年後どうなっていたいか
のように、小さく分ける必要があります。
それだけで、頭の中がかなり整理されます。
この記事の内容を日常で使うための簡単な方法
最後に、すぐ使える形にしておきます。
悩んだときは、次の順番で考えてみてください。
1 いま何に困っているか
2 本当はどうなりたいか
3 そのために今いちばん大事な問いは何か
4 その問いを3つから5つに分ける
5 仮の答えを置いて、調べる・試す・相談する
6 途中で答えを変えてもいいから前に進む
たとえば、「転職したいけど怖い」という悩みなら、こうなります。
1 今の会社にいて将来が見えないことに困っている
2 3年後に安心して働ける仕事に就きたい
3 今いちばん大事な問いは、今の会社で将来は作れるのか
4 会社の将来性、自分の成長、年収、働き方に分けて考える
5 まずは求人を見る、同業の人に話を聞く、職務経歴書を書いてみる
6 調べた結果、転職ではなく部署異動がよいなら変えていい
このように考えるだけで、不安が少しずつ行動に変わっていきます。
おわりに
仕事や転職の悩みは、気合いや根性だけでは解決しません。
大切なのは、「何を頑張るか」を見極めることです。
イシュー思考は、そのための考え方です。
何でもかんでも頑張るのではなく、
本当に考えるべきことを見つけて、
そこに力を使う。
それだけで、仕事の進み方も、転職の考え方も大きく変わります。
もし今、仕事がうまくいかない、転職したいけれど決めきれない、努力しても前に進まないと感じているなら、まずは自分にこう問いかけてみてください。
「今の自分が本当に考えるべきことは何だろうか」
その問いが見つかるだけで、あなたの悩みは少しずつ整理され、次の一歩が見えてきます。
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参考
和氣忠著 イシュー思考