「失敗しても大丈夫！“戻ってくる力”が人生を切り開く理由」

要約

このスピーチでは、人生は選択の連続であり、どれだけ考えても必ず間違うことがあると語られています。大切なのは「間違わないこと」ではなく、間違えたときに素早く戻れる力。若い時期には時間があるため、失敗を恐れず全力で挑戦し、壁にぶつかったら別の道を探す柔軟さが必要です。また、成功には根拠のない自信や、運や出会いを信じる姿勢も重要。夢は形を変えて叶うこともあり、諦めずに手を伸ばし続けることで、最終的に望む場所へ近づけるとしています。

間違ってもいい、戻ってくればいい

社会人になると、選択の連続が待っています。就職する会社、転職のタイミング、プロジェクトの進め方、交渉の戦略……。私が20代の頃、初めて転職したときは「ここなら自分の力を発揮できる」と思って飛び込みました。ところが、社風も業務内容も合わず、毎朝の出勤が憂うつになる日々。半年後、「これは違う」と感じ、元の業界に戻る決断をしました。

この経験で学んだのは、**「間違えないこと」よりも「間違ったら早く戻る力」**のほうがはるかに重要だということ。人生は一本道ではなく、何度でも方向を修正できるのです。

戻ってくる力がもたらす3つの効果

1. ダメージを最小化できる

選択を誤ったときに長く引きずると、精神的にも経済的にも消耗します。私の知人に、全く異業種へ転職したものの半年で退職し、1年間立ち直れなかった人がいます。一方で、間違いに気づいた時点で方向転換した人は、早い段階で再スタートを切り、キャリアを再構築できました。
戻る力は「損切り」と同じ。早ければ早いほど、失うものは少なく済みます。

2. 学びが蓄積される

私は営業で失敗したとき、その原因をノートに書き残すようにしています。ある時、見込み客の業種分析を怠ったことで提案が空振りし、大口案件を逃しました。戻って分析からやり直すと、同じ業種の別の会社に対して的確な提案ができ、契約を獲得。この繰り返しで「自分が何を見落としやすいか」という傾向も掴めます。

3. 精神的な耐久力がつく

「間違えても戻れる」と知っているだけで、挑戦への心理的ハードルが下がります。初めての海外出張でトラブルが連続したときも、「最悪、日本に戻ればいい」と思えたことで冷静に行動でき、結果的に商談を成功させることができました。

壁にぶつかったら、無理に正面突破しない

ある時、大手企業への営業で何度も門前払いを受けたことがありました。そこで発想を変え、同業他社がほとんど手を出していない中小企業にターゲットを変更。すると、その企業での成功事例が口コミとなり、数年後にはかつて門前払いされた大手企業からも声がかかるようになりました。

正面突破だけが解決策ではありません。右や左にずれるだけで、突破口は意外な場所にあります。

根拠のない自信も武器になる

学生時代、私はなぜか「じゃんけんが強い」と信じていました。ある大会で、4連敗しても「次は絶対勝てる」と思い込み、そこから5連勝したことがあります。もちろん必勝法なんてありません。
社会に出ても、プレゼンや商談で「自分なら勝てる」と思い込むことが、自信ある態度や声の張りに繋がり、相手の信頼を得やすくなります。**根拠のない自信は、不安を押しのける“行動の起爆剤”**になります。