アメリカンドリームはBBQフェスでつかめるのか？チームで挑む100万ドルへの道

※ネタバレの内容を含みますので注意してお読みください。

ディスカバリーチャンネルの「億万長者の挑戦運命のBBQフェス開幕」エピソード7は、まさにビジネスにおける「痛み」と「諦めない心」が試される壮絶な挑戦でした。グレンは100万ドルの元手を90日間で100万ドルに増やすという前代未聞の賭けに挑んでいます。その集大成として、手持ちの資金をすべてつぎ込んだバーベキューフェスティバルでの成果にかかっているのです。今回は、このフェスティバルでの激闘を時系列で追いながら、組織運営におけるメンバーとの対立や別れ、そしてそれでもなおチームが一丸となって目標に向かうことの重要性を掘り下げていきます。

第81日目：波乱のフェスティバル初日

フェスティバル初日、朝4時に現場を離れたグレンは、たった1時間半の睡眠で現場に戻ります。しかし、現場は想像を絶する混乱に包まれていました。リブはカチカチ、水も電気も来ていません。さらに、スタッフが見当たらず、バーベキュー部門の責任者であるRJの姿も見えません。

「クリスティーン、おかしくないか？！」グレンは苛立ちを隠せません。開店まで3時間しかないというのに、準備は全く進んでいないのです。幸い、リブは解凍でき、電気も通っていましたが、水が出ない、スタッフがいないという状況は深刻です。グレンは慌ててRJに連絡を取り、他のチームの状況を確認させます。

そんな絶望的な状況を救ったのは、グレンの妹とその友人のアシュリー、そして彼女の友達たちでした。彼女たちはレストラン経営の経験があり、その場ですぐにでも調理や食材管理、さらには人員配置の改善に貢献できるまさに「救世主」でした。特にアシュリーは、一度面接で会ったことがあるものの、ストレス耐性に疑問があった人物でしたが、この緊急事態においては冷静かつ的確な指示でグレンを支えます。

しかし、次なる試練は保健所の検査でした。

「正直に話すね。手を洗わなきゃダメだよ。熱いお湯もないし、それが心配。とにかくひどい状態で、やばいと思う」アシュリーの指摘は的確でした。手洗い場が設置されておらず、お湯も出ない状況に検査官は激怒します。

「全員、今すぐ手を止めて。手洗い用のシンクができるまで作業は許可できません！」

検査は不合格。食材の廃棄こそ免れたものの、もしそうなれば2000ドルの大損失となるところでした。アシュリーの機転と迅速な対応で、なんとか手洗い場を設置し直し、保健所の検査に合格。開店にこぎつけることができました。

チーム「アンダードッグバーベキュー」の初日、ランチタイムは出遅れてしまったものの、夜で挽回を目指します。グレンは初めて現場で深く関わることで、これまでの自分のビジネスがどれだけ恵まれていたかを痛感します。

「今までこんなバタバタした状況は経験したことがないよ。私が方向性を決めて先導すれば、あとは続く社員たちがちゃんと考えて動いてくれてたからね。でも今、深く現場に関わってみて、これは特殊だと特に気づいたよ。誰かのサポートがあるのは贅沢なことだったんだ」

RJの妹と仲間たちのサポートもあり、初日の売上は3090ドル。目標の5000ドルには届かなかったものの、新たな一歩を踏み出すことができました。

第82日目：トラブル続きの仕込みとコンテストへの挑戦

フェスティバル2日目、チームは前日の遅れを取り戻すべく、早朝から準備を進めます。しかし、またしてもトラブルが発生。スモーカーの火が予期せず強くなり、ホースが燃え、危うく爆発炎上という事態に。

グレンは慣れない作業に苦戦しながらも、ポジティブな姿勢を保ちます。「これはもう使えないな。ここにいたら炎が上がってたんだよ。このぐらいの高さまで火を強くした覚えはないんだが、かなり弱くしてたはずなんだが、どうして勝手に火が強くなったんだろう…」と呟きながらも、すぐに解決策を探します。

この日は売上目標5000ドルに加え、翌日のリブコンテストに向けて最高の料理を提供することが求められます。Facebookライブ配信で、肉が骨からホロホロと取れる様子を映し出し、客の購買意欲を刺激します。

ランチタイム、客足は好調で、ブリスケットはあっという間に完売。しかし、ここでクリスティーンの在庫管理の甘さが露呈します。

「ブリスケット完売！売り切れてしばらく出せない。あと1時間、プルドポークもブリスケットもなし。つまり、準備不足か。ランチタイムに十分に備えてなかった」

グレンはイライラを隠せません。肉の供給が間に合わないことで、多くの客を逃し、レストランへの集客にも影響が出てしまいます。

グレンは一旦フェスティバル会場を離れ、レストランのリフォーム状況を確認しにドーンの元へ向かいます。フェスティバルの売上が上がれば上がるほど、レストランの準備に資金を回せるため、ドーンの仕事ぶりはグレンにとって大きな支えです。

「今日は最高だよ。今日は最高の日になるかもしれないんだが、雨も降ってきたしドキドキだよ。でもすごく順調だ。なるようになる」

夜にはなんとか肉の追加も間に合い、フェスティバル2日目の売上は5178ドルと目標を達成しました。しかし、2万5000ドルの目標まではまだ遠く、残り2日間で1万7000ドルを稼がなければなりません。

第83日目：チームの亀裂とコンテストへの執念

フェスティバル3日目、グレンは売上目標を8000ドルに引き上げます。この日はリブコンテストも控えており、優勝すればレストランの評価が格段に上がります。

しかし、またしてもクリスティーンの在庫管理の問題が勃発します。

「ブリスケットが終わったんだ… 本当にごめん。ブリスケットが完売でまだかかる。悪いね。でもチキンがあるし、リブもあるよ」

開店からわずか1時間でブリスケットが売り切れ、その後プルドポークも底をつきます。グレンは怒りを抑えきれません。

「どうしてプルドポークもブリスケットも売り切れなんだ？！」

クリスティーンは昨晩の仕込みのミスを認めますが、責任を取ろうとしません。グレンはリーダーとしての彼女の責任感を問い詰めます。

「責任者だったら自分で責任を取るべきだ。でもクリスティーンは全く責任を取ろうとしない。リーダーは彼女なのに、チームのことは信頼しなきゃならない。それぞれがしっかり役割を、仲間を裏切らないで。リーダーが強くなければだめだ。どんな仕事も逃げていってしまう」

売り上げが伸び悩む中、リブコンテストの提出時間が迫ります。グレンはマイクにリブの調理を任せ、自身はクリスティーンへの対応に当たります。

コンテストのリブは絶品に仕上がり、提出時間ギリギリでなんとか間に合わせます。

しかし、夜になってもクリスティーンとの対立は深まるばかり。肉の在庫不足が続き、グレンのイライラは頂点に達します。

「グレン、聞いて。初めてのフェスティバルなんだからどれくらい必要かなんて予測なんてできないわよ」

クリスティーンは言い訳を繰り返し、ついには職場放棄をしてしまいます。

「マジで出て行っちゃったのか？帰るって？彼女に計画性や管理能力はない。明日はどうやって品切れしないようにするんだ？！」

グレンは頭を抱えます。ここでアシュリーが再び救いの手を差し伸べます。

「クリスティーンが在庫管理をしたくないならそれは構わない。ただ、それを言っても仕方ないが、私が君だけに直接相談してたのはRJと君がそれぞれ担当…」

アシュリーは在庫管理の役割を引き受け、30分おきに在庫を確認し、必要な指示を出すことを提案します。チームはクリスティーンを欠いたまま、翌日の準備に取り掛かります。

この日の売上は8337ドル50セント。初日と2日目の総売上を合わせたほどの売上を達成し、合計売上は16605ドルとなりました。目標達成まであとわずかとなりました。

第84日目：嵐の中の逆転劇と輝かしい勝利

フェスティバル最終日、グレンは売上目標を1万ドルに設定し、これまでの全てを売り切る覚悟で臨みます。

まず、ドーンに1万ドルの小切手を渡し、レストランの改装を加速させます。ドーンの予算内で最高の仕事をする姿勢に、グレンは深く感謝します。

この日はリブコンテストの結果発表も控えていました。発表は夜7時。チームは期待と緊張で胸を膨らませます。

「リブのコンテストで賞を取れば、レストランのオープンには大きな影響を与えてくれます。ただのバーベキューレストランではなく、賞を取ったバーベキューレストランですからね。100万ドル規模のビジネスへと導いてくれるはずです」

しかし、最高の売上を期待していた最終日に、まさかの土砂降り。嵐でほとんどのチームが店じまいする中、アンダードッグバーベキューは営業を続けます。

「風だろうが、雨が雪だろうが、諦めないぞ！ひどい嵐でほとんどのチームが店じまいしても、うちらは売り続けた！本当に言い訳してたら絶対にゴールには届きません」

グレンの言葉通り、彼らはどんな困難にも屈しませんでした。そして、その諦めない姿勢が客の心を掴みます。土砂降りでテントが壊れても、客は行列を作り、彼らのバーベキューを食べに来たのです。

フェスティバル責任者のキャシーから撤収の指示が出され、彼らのフェスティバルは幕を閉じます。

そして、ついにリブコンテストの結果発表。悪天候のため、直接本部に確認しに行ったグレンは、驚きの知らせを受けます。

「あなたは初参加ね、ルーキーよね？気に入られたみたいよ。ベスト審査員は同点優勝！」

アンダードッグバーベキューは、なんとリブコンテストで同点優勝を果たしたのです！

悪天候にもかかわらず、最終日の売上は5042ドル。4日間の合計売上は21,647ドルとなりました。目標の2万5000ドルには届かなかったものの、開業資金は十分に稼げました。

チームワークと困難を乗り越える力

このフェスティバルを通じて、グレンはビジネスにおけるチームワークの重要性と、困難を乗り越える強い意志を再認識しました。

初日の混乱、クリスティーンとの対立、肉の供給不足、そして最終日の悪天候。次々と押し寄せる試練に対し、グレンはリーダーとして、時に厳しい決断を下し、時に自ら率先して行動しました。特にクリスティーンとの対立は、組織運営における課題を浮き彫りにしました。リーダーの指示系統が混乱し、役割分担が不明確な状況では、チームはまとまりを欠き、生産性が低下します。しかし、アシュリーが在庫管理の責任を引き受けたことで、状況は好転しました。

また、どんな状況でも諦めずに目標に向かって突き進むグレンの姿勢は、チーム全体に伝播し、困難な状況でもパフォーマンスを最大化することができました。嵐の中で営業を続けたことは、彼らのビジネスに対する情熱と覚悟を客に伝え、強固な顧客基盤を築くきっかけにもなったでしょう。

グレンは最後に語ります。

「私は誰もがビジネスで成功できると信じていますが、誤解はしないでください。事業の立ち上げは極めて難しい。成功は痛みに耐え抜いたものだけが掴めるんです」

アンダードッグバーベキューの物語は、まさに「アメリカンドリーム」を体現しています。それは、単なる運や才能だけでなく、チームの協力、困難に立ち向かう勇気、そして何よりも諦めない情熱が、成功への道を切り開くことを示しているのです。

この激動のフェスティバルを経て、アンダードッグバーベキューは100万ドル規模のビジネスへと成長できるのか？グレンの挑戦は、まだ始まったばかりです。

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