
ビジネスで差がつく「感受性」の磨き方──アート思考が生み出す仕事センスとは?
■ 「ビジネスセンス」とは“感受性”の強さで決まる
「なんとなくこの人、センスあるな」と思ったことはありませんか?
実は、ビジネスにおける“センス”の正体のひとつが「感受性」です。
感受性とは、「物事を見た瞬間に、何かに使える・何かのヒントになる」と直感的に気づく力。
目の前の風景や会話、体験に敏感で、そこから新しいアイデアや価値を生み出せる人には共通してこの力があります。つまり、感受性とは“現実世界からヒントを拾い上げるアンテナ”なのです。
■ 「違和感」から始まるアイデアの種
感受性を高めるためには、日常の“当たり前”に疑問を持つことがカギ。
伊庭さんが紹介する、感受性を育てる3つの発想法をご紹介します。

① 不満・不便・不安からの発想
「これ、不便だな…」「なんか違和感ある」
そんな小さなモヤモヤに気づく力こそ、ビジネスセンスの源。
たとえば、毎朝の満員電車で「これ、本当に必要か?」と感じたとします。そこから「フルタイムじゃなくても成果が出せる働き方はあるのでは?」という気づきが生まれる。これは単なる不満ではなく、新しい働き方改革の切り口になるかもしれません。
② 感動・感心・歓喜からの発想
心が動いた瞬間にこそ、未来のヒントが眠っています。
「素晴らしいサービスだった」「こんな気配り、初めて見た」
そう感じたら、なぜ心が動いたのかを言語化してみましょう。その“嬉しさ”を別の場面で再現できれば、それは立派なビジネスアイデアになります。

③ 「そもそも何で?」の問いかけ
一見当たり前に思えることにも、「なぜ?」と問い直すクセをつけると、世界の見え方が変わります。
たとえば、
「なぜ日本の職場ではチームプレイが重視されるのか?」
という疑問には、歴史的背景(災害への集団対応、儒教的価値観など)という視点が浮かびます。
このような“そもそも思考”は、固定概念を壊し、自由な発想を生む土壌をつくります。
■ 感受性を磨くには「本を読む・体験する」
伊庭さんは、「違和感に気づく力=感受性」を高めるには、本を読むことや体験を重ねることが有効だと語ります。
なかでも読書は、“そもそも何で?”を膨らませる最高のトレーニング。
たとえ本の主題から脱線しても、そのズレから生まれる発想こそが創造性です。
そして、体験。
いつもと違う店に入ってみる。初めてのジャンルにチャレンジする。普段と違う人と話してみる。
そんな“非日常”を自分に与えることで、感性の筋トレになります。
■ アート思考=意味を自分でつくる力
伊庭さんが提唱する「アート思考」とは、
当たり前に対して違和感を持ち、自分なりの意味や価値を見出す力です。
この力がある人は、日常の小さな経験から独自の切り口を見つけ、周囲と差をつけるアイデアを生み出します。
つまり、アート思考とは“自分で考える力”“物事を意味づける力”であり、まさにビジネスにおける感受性を高める最前線の思考法です。
■ 終わりに:感受性の高い人が、センスを生む
「センスがあるね」と言われる人は、特別な才能を持っているわけではありません。
小さな違和感に敏感で、日常を見つめる目を持ち、自分なりの問いや意味を大切にしているだけ。
今日からでも、センスは磨ける。
あなたの中にある“感じる力”を信じて、まずは一つ、普段とは違う選択をしてみませんか?
■ この記事の参考情報:
- 伊庭正康さん Voicy「1日5分スキルアップラジオ」より
- 書籍:『アート思考』や『センスは脳で磨かれる』(加藤俊則)なども関連書籍としておすすめです。